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2023. 07 / 27 建築のこと ]

ガウディとロマンチズム

9月10日まで東京国立近代美術館で開催されている「ガウディとサグラダ・ファミリア展」へ。

建築展にしては平日にも関わらずかなり人が多い。さすがガウディです。

実は前週の土曜日に来たときは入場待ちが1時間ほどとなっていて、35度超えの炎天下で列に並ぶ

気力はなく、平日に出直してきたのでした。せっかくならゆっくりと見たいですし。

 

サグラダ・ファミリアの部分模型などが目玉展示ですが、もっとも心惹かれたのは若きガウディの

手書き図面。緻密にして正確、そして絵のような美しい図面。若くして才能を発揮していた理由の

一端が一目でわかる展示品でした。

 

2026年の完成が一度発表されているサグラダ・ファミリアですが、どうもメインタワーの完成の話で

竣工というわけではないようです。2026年がガウディ没後100年の節目ということで、めでたく完成

するのかと思いましたが、工事自体はまだ8割に満たないという話もあるようです。

 

でも、それを聞いて安心しました。

なぜでしょうサグラダ・ファミリアには完成してほしくない気持ちがあります。

「永遠に完成しない建築」それがサグラダ・ファミリアなのだとどこかで思い込んでしまっています。

なにせそれだけずっと作り続けてきていますから。

完成を夢見て亡くなった建築家。そして意思を引き継いで永遠に続く工事。存在自体がロマンチズムの

建築サグラダ・ファミリアが完成してしまったらどうなんでしょう。

 

いっそのこと、「未完」として完成させずに工事だけが終わるような。ロマチズムを終焉させること

なく存在させるなんてのはダメでしょうか。

どこか一か所「未完」とわかるところを残しておいてはくれないかと思ってしまいます。

完成しないことが完成である。有機的建築の代表的建築ですが、自然はそもそも完成という状態をもって

いないことを考えると、サグラダ・ファミリアには完成がそもそも似つかわしくないのか。。。

完成した途端に増築工事着工。。。

 

さて、展示には大きな聖堂模型やタワー上部の部分模型などもあって、いまいち全様が分かりにくい

聖堂が把握できますし、一人の建築家の情熱がここまで作り出したのだと感じると圧倒されます。

おすすめの展示でした。ぜひ。

 

 

2023. 07 / 06 建築のこと ]

有機的建築

ずっと使い続けてきたのに、有機的建築という言葉が有名なアメリカの建築家フランク・ロイド・ライト

の“造語”なのだと最近になって知りました。。。

昔からある言葉をライトが自身の建築を言い表したものだと理解していたけれど造語だった。

それ以前はなかったんですね。意外です。

 

当事務所の目指す設計の一旦はこの「有機的な建築」です。

建築の世界では使い古され、特に新しい言葉でもなんでもないけれど、人の暮らしと建築と自然のあり

ようは、根の深い所では変わっていないから、やはりこの言葉は普遍的です。

コロナ過で自宅に観葉植物を置く人が増えたという話も、切り離せない関係性をとてもよく現わして

いました。何より自分自身が年々、自然に身を置きたいと思うようになって登山によく出かけるように

なりました。

 

自然との関係を暮らしの中心にすえる。そこから暮らしを考えて空間を作り出すこと。

当たり前ですね。暮らしの普遍はいつも当たり前な状態に還元されます。

「北鎌倉の舎」は周辺環境もあり、人の暮らしと建築と自然との関係性を示せていると思います。

要素それぞれが自立しつつ、その場所にしかないものを生み出せたように感じています。

 

これからは重ねてゆく時間の中で、この家から感じることがきっと変わってゆきます。

それがこれからの楽しみでもあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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