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2022. 06 / 08 建築のこと ]

ベール

カーテンの良さは、こうして風を演出してくれるところ。

やわらかく外と内を遮ってくれる。

 

午後のやさしい風が静かにぬけてゆく。。。

 

2022. 06 / 05 建築のこと ]

環境改善について

竣工撮影に北鎌倉の舎へ。

昨年末に植栽工事を終えたのですが、冬を乗り越えてどの木々も下草もしっかりと根付いていました。

ここまで短期間に馴染むことも少ないので驚きました。

撮影をこの季節まで待ったかいがありました。

 

依頼した造園家シツラエさんの仕事が素晴らしく。本当に見違える場所になりました。

植えてくれた木々と建物の距離感がほどよいせいでしょうか。家と庭との親和性が高い素敵な場所と

なりました。

 

根付きがいいのは、今回行った敷地の環境改善工事の効果がさっそく出ているのかもしれません。

改善前は水はけが悪く、どうしてもじめっとした環境でしたがこころなしか表土が乾いています。

2年間ほどこの敷地に足を運んだ、その肌感覚からするとかなり変わりました。

感覚的な表現ですが、以前あった敷地から感じる「重さ」のようなものがなくなり、気持ちのいい

開けた場所のような感じを受けるようになりました。

 

心配していたのは敷地が鎌倉の谷地にあることです。谷地全体の環境は変えられません。

いくら敷地だけを改善しても5月~7月の多湿期は厳しいかもしれないなという危惧をしていたのです

が、この日、変化を感じ取ることができて効果を確信しました。

これならば、きっとこれからの季節折々でも違いは出てくるだろうと思います。

 

北鎌倉の舎では、こうして以前から取り組みたかった住環境について一歩を踏み出せました。

家は機能的であり、そして温熱環境の整った快適な空間にくつろげる意匠性を施す。この3つの

課題が事務所の明確な設計方針です。

 

そして今回は敷地の湿度という環境面を、風を取り込みやすく空気を対流させやすい回遊動線という

プランで改善しつつ、外構工事としてシツラエさんのノウハウで敷地外周部を掘り起こして

地下の水の流れを整える環境改善工事を行ってもらいました。

家の内外で環境を考えることができたわけです。

 

高気密住宅や高断熱住宅といった数値化とは少しニュアンスの違う。有機的なアプローチでも家は快適に

なるということを実践できたことが大きな経験になりました。

住環境を数値で見るのも価値のあるアプローチで興味はありますし、法律の改正なども進んでいます。

ただ、そうして我々の生活はすでに数値化にあふれてもいます。あえて家に対しては大らかなアプローチを

取ること自体に価値を見いだしていけたらいいなと思っています。

その一歩がこの北鎌倉の舎になったと思います。

またこうした提案を受け入れてくださり、改善工事も造園家と一緒に楽しみながら作業してくれた施主に

感謝しています。

 

 

 

 

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