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2023. 02 / 06 建築のこと ]

古民家改装あれこれ

古民家や、築年数の経った風情のある住宅を購入して、リノベーションして暮らしてみたい。

そう思われている方はきっと多いと思います。

そんな方へ設計者から参考になればと書いてみます。

 

リノベーションした「北鎌倉の舎」は築70年以上でしたので、十分に古民家の部類に入る建物でした。

古民家って別に定義はないんです。だいたい築50年くらい経つと立派な古民家でしょうか。

1973年以前ってことになります。

古民家も様々です。茅葺きの家が一番にイメージされそうです。大きな柱にぶっとい梁。

昭和に大量につくられた外壁モルタルの住宅群なんかも古民家の範疇に入ります。

米軍の住宅だった平屋なんかはとても人気です。

そこには時を経ないと帯びない魅力があります。私も好きな建築です。

 

「北鎌倉の舎」のクライアントさんは、中古住宅を購入してすぐにリノベーションという流れで

設計のお話しを頂きました。まず決断しなきゃいけないのが「購入するかどうか」です。

 

そこで購入する家のコンディションをどう見るか?

購入する家のコンディションで工事費が大きく変わってきてしまう。

傷んでいれば修繕が必要ですし、安全性にも関わります。

直してからようやく、暮らし方の話になるわけです。

傷んでいるのかな?一体いくらかかるんだろう?

 

ご自身で悩まないで、設計者と一緒に見に行くのはいい方法です。

実は、詳細なコンディションは設計者とはいえわかりません。完全に隠れた腐食。

表に出てきていない雨漏りまではなかなか発見しづらい。

でも経験値がありますので助言はしっかりとさせてもらいます。いい物件がでたら一緒に見に行くのは、

新築の際の土地探しと一緒で設計事務所の仕事の内です。

 

でも、直感的に気にいるというのが一番の出会いにちがいありません。そういう出会いって本当に大切です。

「北鎌倉の舎」クライアントさんは物件を見た時そういう気持ちだったそうです。

 

さて、もう一つは地震に対してどうするか?

これは都度悩んでいます。現代の基準にするのはかなり大掛かりな工事になるので、コストバランスを

取りながら補強しています。机上の話にならないように、現場の大工さんとも相談しながら最終的には

決めています。毎回悩む点ですが安全性を無視して設計はしません。

「北鎌倉の舎」も新たに耐震壁を設けたりして補強しています。

 

物件選びのコツというと、いつも風通しのいい立地とお答えしています。

つくづく木造住宅の敵は湿気だと思います。少しでも家の周囲に風が流れている家は、比較的

コンディションがいいようです。

陽当りよりも風なのだ。というのが持論です。

 

古いものを受け入れて暮らすクライアントの方たちとの仕事は楽しいです。

自分自身も古道具や、昭和の建物が好きなので価値感を共有させてもらえ、そして新しい空間づくりへと

つながる仕事はとても楽しいです。

 

次回へつづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2023. 01 / 18 建築のこと ]

解体工事

計画中の住宅建て替え工事の既存家屋解体が始まりました。

計画当初は既存家屋の改装も模索しましたが、築50年を経た基礎が思ったよりも脆弱なことがわかり、

上屋は状態がとても良いので心残りではありましたが、建て替えへと舵を切りました。

敷地が大きいので一部を売却してから設計を進める予定となっています。

 

さて、2021年の4月から法改正により解体対象へのアスベスト調査が義務化されています。

調査といっても物々しいことはなく。見積り時の目視と築年数による建材への含有を判断してゆくのが

一般化しているようです。

この家屋も、レベル3という外壁材にアスベスト含有と判断し見積りを頂きました。

 

当然アスベスト対策費によるコスト増を覚悟していましたが、今回は想定額を超えることなく、

見積り頂けたので安堵しました。とはいえ、レベルが上がるとかなり対策費が膨れ上がっていると

解体担当者に教えてもらいました。建替え計画では初期段階で見積もりを取らないと、全体計画への

コストの影響が大きそうです。

 

資材コストは上がる。解体費コストも上がる。どの分野でも難しい時代が来てしまいました。

それでも、いい空間を作りたい。建築設計事務所にシュリンクフレーションなんて存在しませんから、

工夫あるのみです。

 

 

 

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