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2024. 12 / 27 建築のこと ]

kugayama house | 久我山の家

 

kugayama house | 引き渡し

 

マンションリノベーションの「久我山の家」の引き渡しを行いました。工事期間約1.5ヵ月でした。お子さんが独立されたご夫婦のマンションリノベーションです。手前に写るのは日本文化のフリーランスエディターをしている奥様の仕事机。すっきりとした日本的な設えでまとめています。住宅ですがちょっとホテルのような雰囲気も感じる空間になっています。

 

Black | 黒色

 

 

ポイントは黒色です。引き締める意味で効果的なので、キッチンパネルやシステムキッチン。スイッチやコンセントなどで使っています。床が全面カーペットで全体の印象を柔らかくしてくれています。材は建具の枠材などは栂材、カウンターや建具面材はタモ材です。

 

 

写真は慌ただしく撮ったので、引っ越しが落ち着いてから撮影させて頂く予定です。

そちらもぜひまたご覧ください。

 

 

 

2024. 12 / 24 建築のこと ]

建築家 谷口吉生氏を偲んで

私が30歳で建築の道へと進んだきっかけは上野の「法隆寺宝物館」を訪れて、その空間に、細部に、そして何よりもその美学に心打たれてのことでした。

その後すぐに建築の専門学校へ通い始め、それからの数年間は、まさに寝る間も惜しんで建築に没頭していました。それくらい強烈な印象を与えてくれた建築を設計された谷口吉生氏が逝去されました。

 

私にとって大切な思い出があります。

2005年に行われた東京オペラシティアートギャラリーでの谷口さんの個展では、小規模の講演会も行われました。人生を変えてくれた憧れの建築家の話を聞きたくて私も駆けつけました。そして講演終了後に閉館間際の個展を再度見回っていると谷口さんがいらっしゃって、当時設計中だった京都国立博物館 平成知新館の模型を前に自ら解説していただいた経験は、それはもう夢のようでした。

その時に頂いた作品集へのサインは今も宝物です。

 

一つの建築が、人の人生を変えるだけの力をもっていることは、私自身が体現していることです。

そのゆるぎない経験から私は建築の可能性や力を信じています。そのことを核に持って設計活動をしています。それらすべては「法隆寺宝物館」から始まりました。

 

今でも何かあると上野に行って、ただ宝物館で佇んだり、歩き回ったりをしています。そうしていると原点を感じて力が湧いてきます。心からご冥福と感謝申し上げます。

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