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2026. 05 / 12 建築のこと ]

富山 | 現場監理-1

 

富山 | 現場監理-1

 

富山の改装工事の現場監理が始まりました。設計自体は通常スケジュールでまとまったものの、その後の工務店の選定と見積期間・見積金額調整で大幅なスケジュール超過となり、半年遅れでの工事着工となりました。

 

時間が掛った経緯は、最近の設計事務所を取り巻く状況の変化によるものです。

まず、なかなか設計事務所の仕事を請けてくれる工務店さんが見つかりませんでした。自社の設計施工工務店が多くなってきたことが理由で、任せられそうな工務店さんほど自社で手一杯という状況や今は設計事務所案件はやめましたという回答が多く、かなりの数を声がけしましたがうまくいきません。

 

そこで斡旋会社に入ってもらいましたが、選定した工務店の工事見積金額が異様に安い・・・質疑返答が二転三転・・・意思疎通がうまくとれません。最終的に施主と相談してこの工務店との契約は行いませんでした。

 

斡旋会社をとりやめて振り出しに戻り、隣の石川県で工務店さんを自ら探すことにしました。ほどなくして話を聞いてもらえる工務店さんを見つけました。忙しい中で話を聞いていただいて、ようやく見積もり作業へと進むことができました。

 

ここまで難航したことは独立以来初めてのことです。ご心配な点もあったことと思いますが、一切を任せてくださったお施主さんに感謝しています。

工事契約した時点で、もはや竣工した時くらいのエネルギーをかけている状況で、まだこれからが本番だということでリセットに伊豆に旅行に行ってリフレッシュしてくるほどでした。

 

二点目は高騰する工事費です。この調整に非常に時間が掛ります。結局4回目の見積提出でようやく契約できました。過去の経験値を働かせてもなかなか予算と工事金額のバランスをとることが難しい時代となりました。解体工事費の高騰もあって新築の工事費との差が狭まっています。

ただこの状況でも、うまくコストコントロールして設計していく手法のようなものは、苦労したかいもあってこの富山の住宅改装工事を通じて生み出せていますので、今後反映して行きたいと思っています。

 

ただ、以前よりも見積や金額調整に時間がかかるようになると思います。家づくりの全体期間は新築で1年半としてきたのですが、もう少しかかるようになってきたのでこの点は見直しが必要だと思っています。家づくりをお考えの皆様、土地探しなどできるだけ初期段階から設計事務所を絞って、一緒に進めていくことがより重要な時代へと変わってきたなと思いますので参考にされてください。

 

解体後 | 発掘現場

 

スケルトン工事なので床も撤去しています。なんだか遺跡発掘現場のようです。築50年を超える基礎は現代とちがって布基礎というもので地面が見えています。スケルトン工事でいいのは基礎も躯体もむき出しになるので、傷んだりした劣化状況が一目瞭然です。建設当時の建材の程度や施工精度もよくわかります。そういう点では遺跡と同じで歴史を見ていると思います。

 

さて、思っていたよりも基礎もきれいですし土台や柱の腐食もごく一部で安心しました。結局、建物とって一番悪影響なのは湿気だと思います。富山県の湿度は国内でもトップクラスなので腐食を覚悟していましたが立地環境がよかったのか、いい方向に裏切られ、かつ上記の経緯からようやく着工にこぎつけた喜びもあって上機嫌で現場を見て回ります。

 

今まで天井裏で見えていなかった丸太梁も確認できました。なかなか迫力あります。新しい天井ではこの梁も見せる仕上がりになるので、どう扱うか再確認しました。

順調に工事は進んでいます。

 

立山連峰 | 富山の田園住宅

 

 

すでに何度も富山に訪れていますが、ちゃんと立山連峰が見える機会というのは意外と少ないですがこの日はよく見られました。

富山連峰と富山平野の田園風景こそが富山の風景だなと思います。

現場は北東側に田園が拡がる立地にあり、足場から屋根越しに山々が見える環境です。この立地から工事名称を「富山の田園住宅」と命名しています。

2026. 05 / 05 建築のこと ]

古いモノと新しいモノ

 

A fusion of old and new

 

youtubeチャンネル『Cozy house in japan』で取り上げて頂いた「北鎌倉の舎」のコメント欄を見ていたら、とても素敵なコメントがあって嬉しくなりました。

抜粋させて頂くと、「新旧融合の形で新しく建てるのは見た事あるけど古い方をこれだけ新しい感じにつくれてるのははじめて見たかも」というコメントです。

意図を読み取って頂けてとても嬉しいです。

 

私の手掛ける改装は、古いものと新しいモノをシームレスにつなげていくことを大切にしています。それは古いモノの時間軸と新しいモノの時間軸を合わせようとする作業です。

DJがレコードの曲と曲との回転を合わせてスムースに曲をつなげるように、違和感なく古い空間と新しい空間をつなげる。そんなイメージをして設計しています。

 

ただ古いモノに新しいモノを組み込むのでは、新旧のコントラストがハッキリとしてしまうので、新旧のモノに別々の時間ではなく、共生としての新たな時間が生れていくことに注力しています。いわゆる古民家改装とは一線を画す設計方法だと思っています。

もちろん、断熱性能や現代的な水廻りの更新など生活機能も取り入れています。耐震化も解析して行います。

 

上の写真の梁は築70年を超える竣工時からの梁です。丸太の梁です。一方、天井や壁は新しい壁です。新旧のコントラストですが、梁には塗りつぶさない程度の繊細な着色がしてあります。

そのことで新しい壁とも馴染み。梁自体の風合いに新しさが生れるようにしています。

 

拭き取りという方法で塗装しています。こうするとまるでオブジェのようです。ただの古い丸太の梁とは雰囲気が変わってきます。

 

 

階段も竣工時のままとした箇所です。傷んだ箇所は補強してあります。この家の歴史を感じさせてくれる風合いを残しています。

 

The origin of the idea

 

発想の源は金継ぎかもしれません。一度割れて途絶えたモノの時間を継ぐことで再生し、新たな景色となって存在する。自身の設計が金継ぎのような役割を担いたい。そんなことを思っています。

 

現在改装工事中の計画も、おばあちゃんが暮らした家をお孫さんが引き継いで、新たな暮らしに向けて改装します。

南北の庭をつなげることを主眼に、増築部が違和感なく溶け込むような計画を目指しています。

石油由来の資材不足に直面しているので、難工事が予測されますがなんとか竣工にこぎつけたいと思っています。

 

北鎌倉の舎は元々は貸家になっており、すでに何度も改装されている状況で、お施主さんが購入された時は、コントラストのハッキリとした改装になっていました。(下の画像)

この後、外壁を解体してほぼスケルトンにしてから、耐震化、断熱改修を行っています。

 

 

 

 

 

 

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