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2024. 07 / 21 建築のこと ]

マンション改装計画 | 久我山の家

提案時の模型イメージ

 

マンション改装計画 | 久我山の家

 

マンション住戸の改装計画が始まりました。お子さんが独立されたご夫婦の新たな暮らしの設計です。

長く住んできた住戸をこれからの暮らしに向けて手を入れたいとご相談を受けました。

久我山という立地なので当事務所からも近いエリアです。

 

Carpet | 絨毯

 

ご要望のヒヤリングと現地調査を兼ねて伺った際に一番印象的だったことは床が絨毯敷きなことでした。個人的に絨毯敷きが好きです。自邸でも当初取り入れられないかと検討していました。

竣工時からお住まいなので30年を経た絨毯ですが驚くほどにキレイで、とても雰囲気がいいです。絨毯にすると空間の音の響き方がフローリングに比べて少なくて静かだと感じます。

足裏の感覚も柔らかくて、空間の印象がすごく角の取れたものに感じられるのも好きな点です。

ご夫婦のご要望も絨毯の張替えということで、この質をより高められる計画にしようと考えました。

 

絨毯のメリットは上記の他に、見た目にも落ち着きがあることでしょうか。フローリングのホテル客室よりも絨毯の方がよりリラックスできるんじゃないかと思います。ホテルの廊下は音の問題からしても絨毯の方が向いていると思います。あとは落としたものが割れたり、壊れたりしにくい点でしょうか。

 

一方デメリットの方はご想像の通り、汚れの落ちにくさ、シミやダニが問題です。掃除も気を使うと思います。あとは椅子やよく歩く場所での毛玉やスレです。

小さなお子さんがいると躊躇する材かもしれません。そういう時にはラグという選択肢もいいかもしれません。

現在はフローリングが主な床素材ですが、使い方によってはとても落ち着いた雰囲気を得られる材です。

 

 

Japanese style |日本的エッセンス

 

以前に改装を手掛けた「石葉」を知って頂き、お声がけを頂いたこと。奥さんは茶室を主とした編集・ライターをされていることもあり、障子など日本的なエッセンスでの設計を依頼されました。本格的な日本建築となると費用は益々高騰しているので、工務店さんとも相談しながら頑張ってコストバランスの取れた案にしたいと思っています。

エッセンスとして日本的な要素を取り入れながらミニマムで豊かな空間を計画させて頂こうと考えています。

 

今年中には工事完了予定です。またアップしていきますので是非ご覧ください。

 


 

 

2024. 07 / 19 建築のこと ]

現場監理 | 外装-2

Rough | 粗さ

 

待ちに待った外壁の工事が始まり一角が貼り終わりました。

前回書いたように、武蔵野の家ではラス板という下地で使われる板材を仕上げに使う計画にして、ラフな加工で製材をしてもらいました。長さの規格は4Mほどの材料です。
幅の狭い板を一枚一枚張っていくのですから、棟梁の作業量としては非常に多く、さらに暑い時期に恐縮ですが今回はこの材を使ってみたかったのでお願いしています。

 

貼られた状況。

これがなかなかいい雰囲気です。隠し釘にしているので釘頭は見えてきません。この風合いであれば経年変化に深い味わいを期待できそうです。

 

Warping | あばれ

 

工事で木材が反ってしまったり割れてしまったりすることを建築・工事用語で「あばれる」と言います。

十分に乾燥する前の木材はこのあばれが出やすく、扱いにくい。間伐材で作られるラス板の最大の欠点は、流通量や間伐材ゆえに在庫して乾燥させるような木材ではない点です。

必然的に生乾きのあばれが出やすい状況で施工することになります。

どのくらいあばれるかは言ってみれば出たとこ勝負。まぁ細かいことはあまり言わないでとにかくやってみましょうと事前に現場監督とも話しあっていました。

さて貼ったそばから基礎側の釘が打てない箇所が反ってきています(笑)

自邸なので笑っていられますが、お施主さんにはお勧めしにくい材です。普通は耐久性など心配になると思うのであくまでも実験的な使い方です。

 

さて、これから関東の梅雨が明けて、容赦ない日差しと高温にさらされてこの材がどのくらいまであばれるかを見ていく必要があります。箇所によっては補正が必要になるかもしれません。

ただ、雰囲気や見え方の心配はなくなったので全面的に貼られるのが次の楽しみです。

 

 

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