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2024. 03 / 17 建築のこと ]

2次元から地縄

武蔵野市の住宅着工に伴い、「地縄」確認に敷地に行きました。地縄=建物配置確認の作業のことです。
なかなか平面的に凸凹の多い建物なので職人さんに「あれ?ズレる」とお手間を掛けてしまいましたが、無事図面通りで問題ないことが確認できました。

今までの図面という2次元から初めて現実感が出てくる作業で、画像からはまだ何もしていないように見えますが意外と緊張感があります。

隣地塀との距離感や隣家の窓位置との関係が判るので、頭の中の仮想空間とズレがないかを確認しています。思ったのと違うなんてことは困ります。

さすがに模型も作ってチェックするので毎回イメージ通りなんですが、実際に敷地でみるまでは確証がないのが今現在の建築設計です。ただ近い将来は、リアルなバーチャル空間を体験できるようになって、「空間をあらかじめ体感できる」ようになって大きく変わるのでしょう。

 

工業部品などの設計では3D CADという3次元CADが主流ですが、今のところ建築設計は2Dがまだ主流です。建築設計で3次元というとBIM(ビム)というものがあり、すでに運用されているのですが住宅規模ではほぼ使われていません。

個人的に欲しい技術はBIMにはない技術で、季節毎での空間への光の入り方などの再現性と風の流れ方をシミュレートできる技術です。これだけでより快適な空間設計に役立ちます。

今までのような経験値ではなくて光や風をシミュレートという形で実感できれば、デザインの発想はさらに広がりそうで個人的に今すぐにでもほしい技術です。

(膨大な環境データがないといけないのでなかなか難しい技術ですが)

 

こうした技術をフィードバックさせながらの設計は新たな可能性を感じられて楽しそうです。もともと機械科化卒ということもあって、技術面からの設計アプローチは取り組んでみたい領域です。こうしたアプローチから生まれる建築の可能性というのもまだまだ残されていそうです。

 

建設技術に関してはどんどん進むんですけど、設計技術・方法に関してももっと多角的に進んでほしいものです。

また体感できるツールが普及してくれると設計事務所にとっては、お施主さんがより空間をイメージしやすくなるので、依頼いただける可能性が増えるんじゃないかと思いますから、その点でも可能性が拡がるものだと思います。

 

さて、地縄が終わったので次は基礎工事が始まりますので、上棟は4月半ばの予定となります。

まずは無事上棟に向けて監理していきます。

 

 

 

2024. 03 / 16 建築のこと ]

地鎮祭にかえて

先日、自宅の着工を前に自宅からほど近い「深大寺」で方位除けの厄払いをしてもらいました。

深大寺は創建1,300年となる歴史のあるお寺で、今までにも初詣や厄除けで何度も訪れています。

 

自宅を建てる敷地は小さい頃から馴染みのある土地なので、あらためて地鎮祭はせずにお寺で厄払いを

して頂いて工事の安全を願い。土地の神様にはご挨拶として自分たちで敷地四方をお清めしました。

 

お施主さんには、地鎮祭はしなければいけませんか?と聞かれますが、現在では絶対的なしきたりでは

ありません。「そうある機会ではないからやりたい」でも構いませんし、お子さんがいれば「日本的な

しきたり」を経験してもらうよい機会になるかもしれません。ちょうど忙しい時で・・・ということで

あれば、地鎮祭はされないまでも土地への挨拶にお清め程度されると気持ち的にも安心できるんじゃな

いでしょうか。

一つには、我々のような厄払いで工事安全を願う方法もあると思います。

 

深大寺で厄払いをしてもらい。久しぶりに深大寺そばを食べて植物園を散歩して、天気も良くて

とても晴れ晴れとした気持ちになりました。きっと祈願は届いたんじゃないかと思います。

 

自宅着工となると、いつもは地鎮祭などお施主さんにやられますか?とお聞きする立場が、自らに促し、

自ら判断するという。軽く脳がバグ気味な進行となっていてまだ慣れません。

近隣への工事挨拶も施主兼設計ということになるので珍しがられました。

次は、工務店から構造の柱梁の図面チェックをしながら、上棟式どうしよう?と考えるという自作自演

みたいな状況になります。

あらためてお施主さんの気持ちがよくわかります。いかに建築のしきたりがあり、かかる費用もピンキリ

でわかりにくい。この辺のサポートも設計者の仕事ですので、広く一般的な解釈や価値観を提示したいと

いつも思っています。ここ大事ですね。ときに楽しい家づくりはこういう行事ごとにあったりもします。

今回は自宅建設を通じて、いつもとは違う立場で経験をできているのが新鮮です。

 

 

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