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2023. 12 / 26 建築のこと ]

地盤調査

計画中の住宅で地盤調査を行いました。法律で義務化されているものです。

調査は住宅では一般的なSWS試験です。スクリューウエイト貫入試験というもので地面に鉄の棒

(ロッド)に重りをかけて自沈または回転させながらめり込ませて、ロッドが受ける抵抗を測定して

いきます。ほぼ全自動でぐりぐりと地面にロッドが刺さっていき、自動的に計測器に記録されます。

ロッドが足らなくなったら手動でつぎ足します。通常、住宅の四隅と中心点の5か所をこの方法で

順繰りに計測します。余談ですが、今回8mほど差したロッドの引き抜き作業は人力。

えっちらおっちら作業の方が抜いてました。ご苦労様でした。

 

測定の結果、軟弱地盤となれば杭を打ち込んだりして、住宅が長期的に沈み込んだりしないように

対策をとる必要がでてきます。また時に敷地の地下水位が高い場合も対策の必要があります。

私も3.11の震災時に湾岸エリアで液状化を目の当たりにしましたが、いとも簡単に家が傾く怖さと

その後の絶望感(復旧にはかなりの費用が掛かる点で)。義務化されずとも必ず行うべき調査です。

 

今回の判定は良好地盤。特に対策は必要ないとの結果でした。ホッしました。計画地は武蔵野台地上に

ある平坦地なので、予測としては軟弱地盤ではないだろうと思っていましたが、地面の下のことです。

測定しないことにはわかりません。

もし軟弱地盤の場合には、何らか地盤補強工事が必要となるため建築コストが上がりますから、地盤は

良好に越したことはありません。

これを受けて工務店さんに見積を進めて頂いていますので、来年はいよいよ着工となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2023. 07 / 27 建築のこと ]

ガウディとロマンチズム

9月10日まで東京国立近代美術館で開催されている「ガウディとサグラダ・ファミリア展」へ。

建築展にしては平日にも関わらずかなり人が多い。さすがガウディです。

実は前週の土曜日に来たときは入場待ちが1時間ほどとなっていて、35度超えの炎天下で列に並ぶ

気力はなく、平日に出直してきたのでした。せっかくならゆっくりと見たいですし。

 

サグラダ・ファミリアの部分模型などが目玉展示ですが、もっとも心惹かれたのは若きガウディの

手書き図面。緻密にして正確、そして絵のような美しい図面。若くして才能を発揮していた理由の

一端が一目でわかる展示品でした。

 

2026年の完成が一度発表されているサグラダ・ファミリアですが、どうもメインタワーの完成の話で

竣工というわけではないようです。2026年がガウディ没後100年の節目ということで、めでたく完成

するのかと思いましたが、工事自体はまだ8割に満たないという話もあるようです。

 

でも、それを聞いて安心しました。

なぜでしょうサグラダ・ファミリアには完成してほしくない気持ちがあります。

「永遠に完成しない建築」それがサグラダ・ファミリアなのだとどこかで思い込んでしまっています。

なにせそれだけずっと作り続けてきていますから。

完成を夢見て亡くなった建築家。そして意思を引き継いで永遠に続く工事。存在自体がロマンチズムの

建築サグラダ・ファミリアが完成してしまったらどうなんでしょう。

 

いっそのこと、「未完」として完成させずに工事だけが終わるような。ロマチズムを終焉させること

なく存在させるなんてのはダメでしょうか。

どこか一か所「未完」とわかるところを残しておいてはくれないかと思ってしまいます。

完成しないことが完成である。有機的建築の代表的建築ですが、自然はそもそも完成という状態をもって

いないことを考えると、サグラダ・ファミリアには完成がそもそも似つかわしくないのか。。。

完成した途端に増築工事着工。。。

 

さて、展示には大きな聖堂模型やタワー上部の部分模型などもあって、いまいち全様が分かりにくい

聖堂が把握できますし、一人の建築家の情熱がここまで作り出したのだと感じると圧倒されます。

おすすめの展示でした。ぜひ。

 

 

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