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2021. 05 / 29 道具 ]

道具 № 4 腕時計

― 静かなデザイン ―

 

とにかくシンプルで時刻の読みやすい。原点のような腕時計をずっと探していました。

ある時、通称「国鉄ホーマー」と呼ばれる国鉄時代に職員に支給されていたシチズンのホーマーを

知ってほしくなりました。

不要な装飾はなく文字が浮き上がるように見えて視認性抜群。

これ以上はなかなか引くことのできないデザインにはむしろホッとします。

「そう、これでいい」と思える一品。

 

もちろん買ったものは中古品。民営化へと移行する後期のものでクォーツです。

裏ぶたに官給品らしく「昭和60年 天鉄」の刻印があります。なんだかちょっと懐かしい。

 

勝手にこういうシンプルなデザインを「静かなデザイン」と呼んでいます。

これ見よがしな主張してくるデザインがなく、生活のシーンに馴染みやすくて、

静かに人の心をホっとさせるようなもの。

昔からの定番と言われるものには、この要素があるように感じます。

長く愛されるためには、一時のデザイン的主張は不要で、飽きの来ないふつうのデザインが

よく考えられていることが必要ですが、この時計にはなんだかそのすべてが詰まっているように

感じています。

 

2021. 05 / 25 建築のこと ]

古くて新しい

古いものと新しいものが同居しているというのは素敵なことだ。

言葉としてはずっとわかっていたけれど、以前50年を経た宿の改装を行った時にそれはデザイン的

にはかなり難しいことだと思いました。

具体的にデザインとしてどうすれば同居できるのかとずいぶんと思い悩みました。

 

新しい材料は既存のものとは風合いも色も違いますし、考えなしに組み合わせたのではうまくいかない。

この時は工務店さんも棟梁もそのさじ加減がわかる方々で、相談しながら結果いい仕事ができました。

 

「周囲の風景に溶け込む」という言い方にあるように、馴染むというのは溶け込んで一体化すること

なのでしょう。経年変化の中でいつしか改装箇所は既存のものと区別がつかなく日が来るのを

見たいなと思っています。

 

写真は改装直後です。分筆机や障子などは新しく設えたものです。

一方で柱や床框は既存です。

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