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2026. 06 / 22 建築のこと ]

富山 | 現場監理-2

富山 | 現場監理-2

 

富山の住宅改装計画は、画像の築50年を超えた建物の改装と購入された隣地側へ増築を行うというものです。ソフトを使って解析して基礎は部分的な補強。耐力壁を適所に新たに設けて耐震性を向上させています。平屋なので補強計画はたてやすいです。

ペルシャ湾封鎖の影響を受けた資材不足も今のところはなく、順調に工事は進んでいます。

 

 

富山ブラック瓦

 

瓦葺の屋根は以前に補修されているようなので手は入れません。いわゆる富山のブラック瓦が葺かれています。ガラス釉の黒光りした瓦のことで、融雪性に優れ、ガラス釉薬により滑らかな表面は雪を落としやすく、かつ雨漏りを防ぐとのことで富山の風景を作り出している瓦なので、残せてよかったと思っています。能登の黒瓦も同時期の物で、発想は同じなのだと思います。

この家の屋根の勾配は必要以上に急こう配なのですが、おそらくはこの瓦の特性を生かして落雪を促すためと思われます。内部はこの勾配を生かして以前とは異なる天井の高い空間に変えていきます。

 

以前、能登へ黒瓦屋根と下見板張りの外壁の家を見学に行きましたが本当に美しかった思い出があります。経年変化した下見板と黒瓦のコントラストは、「朽ちていく時間」に晒されたものが魅せる美しさがありました。

 

富山はブラック瓦だけでなく、ブラックラーメンもあるので「富山の黒い文化」と総称されることもあるようです。ラーメンは労働者の塩分補給に醤油スープが濃くなり、瓦は雪対策で生まれているので、どちらも富山の環境で生まれた特産と言えるんだそうです。

ただ、現場へのバスから見る目新しい住宅は陸屋根が割と多くて、瓦葺は少ないです。耐震性にコスト、見た目の重さなど避けられてしまうのは想像つきますが少々寂しく感じます。

 

計画では、新しい外壁を白い鋼板の横張(下見張り)にして、富山のブラック瓦との対比がきれいな仕上がりにする予定です。

当事務所らしいスッキリとした佇まいの中に、静かに富山の地域性をまとわせたいと考えています。

 

 

 

 

 

2026. 06 / 20 日々の暮らし ]

坂本YAECA|坂本図書

坂本YAECA|坂本図書

 

昨年25年の12月にオープンした坂本YAECAに立ち寄りました。雨上がりの平日で空間には私一人。静かな環境でしばし坂本龍一さんの所蔵していた同タイトルの古書を読みつつ、坂本さんが幼少期に弾いていたピアノに向き合う。

 

人の家に行って本棚を見せてもらうのが好きです。もちろんお断りしてから見るけれど、本棚というのは人の頭の中を覗くようなものだと思う。ものすごく大雑把には本棚で人物像は浮かび上がってくる。そういうものだと思う。

坂本YAECAにある蔵書はほんの一部だけれど、坂本龍一という頭の中を覗かせてもらったような気分になる。膨大な蔵書の一部にせよ幅の広さは十分にうかがえる。本は読むけれど読書家を名乗るほどには読まない私は、読書家という人々に憧れがある。とかく忙しいと思われる人が読書家となると一体いつ読んでいるのだろうと不思議になる。私はよく言えば遅読家で、一冊を読破するのにすごく時間が掛る。ちょっと読んでは思考の世界へ飛んで行ってしまう。一文に端を発して調べものを始めてしまう。進まない・・・。

 

 

庭に置かれたピアノは、ニューヨークの自宅にあるピアノととても似た雰囲気となっている。スタッフの方に聞くと、すでに突板が剥がれたり朽ちていっているそう。喫茶でお茶を飲みながら、室内で使われるものを屋外に置くことで生まれる違和感をとても心地よく眺めていました。常識やバイアスを崩される体験はいつも楽しい。

 

さて、本当はSAVEURのケーキを食べたかったけれど、もたれ気味であきらめ、本当にゆっくりと空間を独り占めにしてお茶を飲み終えて店をあとにすると頭がすっきりとしている。雑味のない空間という言い方が適切だと思いますが、平日の坂本YAECAはいい空間でした。

次は予約して「坂本図書」へ行ってきます。

 

 

 

 

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