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2024. 08 / 24 日々の暮らし ]

椅子|ポール・ケアホルム展

 

美しい椅子|デンマーク

 

パナソニック汐留美術館で9.16まで開催されている「ポール・ケアホルム展 時代を超えたミニマリズム」を見に行ってきました。

 

ポール・ケアホルムの一般的な知名度は低いようですが、ミニマルなデザインが好きな方であれば、たまらなく惹かれるであろう椅子や家具をデザインしたデンマークの家具デザイナーです。1980年に51歳で早逝しています。

 

このポール・ケアホルムと同じくデンマークの家具デザイナーの「フィン・ユール」は、とりわけ美しい椅子の数々をデザインしています。二人ともデンマーク人というのもすごいですが、この二人以外にもデンマークには極めて優れた家具デザイナーと職人、さらには照明デザインも優れているので驚かされます。

デンマークにはきっと何か良質なデザインを生み出す「秘密」があるのだと思っているんですが、一体なんなのでしょう。

デンマークデザインを言い表せば『シンプルで機能的で美しい』ということになるのでしょうけど、フィンランドデザインも同じように言い表せるので、もっと根源的に理解したいのですが、それには実際デンマークの地に暮らしてみるなりしないとわからないのでしょうね。短期間でも暮らしてみたいw

 

憧れの椅子|PK22

 

椅子の美しさに惹かれていくうちに建築に出会ったので、建築と同じように椅子が大好きです。

今も建築探訪しながら、名作と呼ばれる椅子を実際に見て座りたくてあちこちに行って、趣味のような勉強のようなことをしています。

 

ポール・ケアホルムの代表作の一つPK22というと、豊田市美術館脇の高橋節郎館の一角にある休憩室のPK22が印象的で、ほどよくくたった皮張りの座面が体を包むように支えてくれてじつに気持ちよかった。外をぼーっと眺めるのに実にいい椅子だと思いました。PK80というベンチソファも低座でじつに座っていて落ち着く椅子です。

 

一方で、ミニマリズムは一歩間違えると、美しいけれど座り心地のよくないという「機能破綻」もおこします。ポール・ケアホルムも三本足の椅子は私にはバランスが悪く快適ではありません。ギリギリなんだと思います。すべてがバランスよく調和し美しいということの難しさ。PK22はそのすべてを満たしていると思います。価格だけはなかなか可愛くないですがw

本展示でもいくつかの椅子に実際に座ることができるようになっていてPK22にも座れます。

座れる展示って楽しいですね。ぜひ増えていってほしいです。

 

benefit|恩恵

 

2022年に上野で開催された「フィン・ユール展」しかり、この「ポール・ケアホルム展」しかり、椅子研究家・織田憲嗣さんの織田コレクションがあってのことで、それは展示されているほとんどが織田コレクション所蔵の椅子や家具たちだからです。メーカーならともかく個人の収集家ですから、文化的活動により目に触れ、座る機会に恵まれることがありがたい。

なにせポール・ケアホルムもフィン・ユールの椅子に座れる機会なんて少ないですから、実際に座って感じ取れるのはいい勉強になります。結局のところ、椅子は座ってみないと良し悪しなんてわかりません。その意味では値段は決して座り心地と比例しないとも思います。

 

こうした展示や出先でたまたま座った椅子など、自分好みの椅子を探すっというのも楽しいです。いいなと思ったらどこの物か調べたり写真撮ったりしてちょっとしたマニア的喜びです。

ちなみに今までで思い出深いのは建築家村野藤吾のソファ(TMD-MIYAKO)です。とっても座り心地がよくて、それでいて小ぶり。とてもよくできていてびっくりした名品でした。

 

展示は土日祝日が予約制になったので、来場者が増えているようです。平日は予約の必要はないそうです。

ぜひ、名作椅子に座る機会もあるので行かれてみてください。

 

 

 

 

2024. 08 / 14 建築のこと ]

現場監理 | 外装-3

 

 

 

Wall wood | 木の家

 

この日現場監理へ行くと、監督さんが建物の全体が見えるように養生シートを束ねてくれていました。

外壁の板材を貼り終えたので「外観」の確認をしやすいようにと配慮してくれてのことです。

 

夏空の下に妻屋根の木の家ができてきました。

初めて使う板材ですので詳細に確認してまわります。正面から斜めから側面はどうか?といった具合に時間をかけてみて回ります。

毎回、模型を作り細部までチェックしているので大きさの感覚にズレはないので、一番確認したいのは実際できてきたものが「どんな雰囲気になっているか?」です。

思ったようなテイストになっているか否か。とくに木材は同じ樹種であっても色味や木目がまちまちで、実際に製材されて届くまでわからない素材です。工業製品のサイディングとは対極にあるような素材ですからドキドキします。

うまくいくかどうか!?こんなドキドキも家づくりの楽しみくらいに感じていないと使えない材ですが、実際に楽しいです。読めない要素があるというのはモノづくりの真骨頂で、わくわくします。

 

Coating | 塗装 

                                                                                 

確認したいことはもう一つありました。

現状は板材に塗装も何も施していない素地の状態ですが、木材保護の意味も含めて塗装をするかどうか。ということです。もちろん塗装といってもペンキのように木目を消してしまうような塗材ではなく、含侵させる専用の塗材です。工事の見積もりにはあらかじめ塗装費は含めてありますが、要否は最終的にこの外装工事終了時に判断することにしていました。

自邸でなければ耐久性を考慮して塗装を前提としますが、実験的に無塗装でもよいかと思ったわけです。

塗装したサンプルの板材も作って検討します。検討というの頭の中で塗った場合のイメージをひたすらに思い描いてみるということです。試しに一面を塗ってみるわけにいきませんから・・・

妻にも見てもらい意見をもらいながら、塗装をするとがらっと雰囲気がかわるのでここはちょっと慎重に見定めます。お盆明けには決めると監督さんに期日を伝えてあるので熟考中です。

 

お盆明けから内部工事へと進みます。

 

 

 

 

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