2021. 09 / 18 [ 建築のこと ]
家具の風合い
アイランドキッチンや作り付けの家具は、クライアントがすでに持っているテーブルやチェストに
合わせてお互いに良く馴染むように、素材は概ね一緒ですが色味は都度調整して決めています。
「家具はしっとりとかっこよく。どっしりとしていながら重すぎず。
空間に馴染みながらもほどよいアクセントのような存在感がほしいものです。」
素材としてラワン材を使い続けていますが、この点でラワン材の主張しずぎないところがいいです。
なんかこう大人な素材だと思っています。
テーブルなどの置き家具のちゃんと引き立て役になってくれる。さらに竣工時から落ち着いた風合い
に仕上げることで、古道具などに馴染みがいい点もいいところです。
昔ほどにはコスト面では高いものになりましたが、それでもナラ材などにくらべれば安価。
使いようによって、とてもきれいな風合いを出してくれるので、こちらも腕の見せ所とばかりに
塗装の試し塗りをしてから塗装屋さんに依頼する。うまくいった時は静かに心の内でグッとくる。
そんなちょっと挑戦心をくすぐられるような遊び心もある素材で楽しいです。
もちろん、事前にラワン材の特性や風合いなどはクライアントにご説明して承諾を得ていますが、
ほとんどの計画で使っているので、むしろみなさん積極的にOKして頂けます。
私自身が古道具や古いのものが好きなので、自ずと設計するものに現れてしまいますが、
依頼頂くクライアントの皆さんも、ちょっと古いもの好きという点でみなさん共通しているように
感じています。
ラワンの家具などの風合いを生かして、新しいものと古いものが馴染むちょうどいい空間のバランス。
そのようなものがデザインできるといいなと思っています。