architecture design atelier
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2020. 10 / 31 建築のこと ]

理想と現実をこえて

計画中の改装工事の見積発注を行いました。

これからドキドキしながら、お施主さんとともに3週間待つこととなります。

 

建築設計事務所に仕事を依頼される方の目的は、デザイン性を持ちながら生活への機能性を併せ

持った理想的な家づくりに他ならないと思います。

その家づくりために打合せを重ねて「これが理想です」という内容をまとめたものが見積発注図です。

こういう暮らしがしたい。こうだったら便利でいいなとか、この方がたのしいなと思い描いてきた。

まさにその内容が網羅されています。

もちろん予算は意識しながら概算費なども出しながら進めますが、

その理想には、まだ総工事費という現実はないままです。

3週間をかけて工務店さんが積算をして提示してくれたものが理想を形にする金額です。

 

設計事務所はこの段階まで工事費がわからないことが最大の弱点ですが、でも最初から工事費が

詳細にいくらかわかっていたら、そもそも理想は描けないという点もあるかと思います。

 

物づくりは、モノとしてのあるべき姿を問い。

その上でお金とのバランスをとる。

 

この順番を逆にすると、ある意味で100円ショップで買い物するのと変わらなくなってしまいます。

理想的な家づくりには、この順番がどうしても必要なことになると思います。

そうしてむかえるのが、この3週間なわけです。

毎回、図面を書き上げた安堵感よりも予算超過の心配な方が勝ります・・・

予算超過してお施主さんをがっかりなどさせたくはありません。

理想と現実のバランスは、経験を踏んできても毎回難しいところです。

 

 

 

 

 

 

 

2020. 10 / 26 日々の暮らし ]

質感

物の質感に目が行く。

食べ物もなんとなく食べてしまうと気がつかない味というものがあるけれど、

物にもじっと見ないと気がつかない隠し味のような質感がある。

フェラーリのビンテージカーの塗装を間近でまじまじと見るととてもこってりとしていて、

ピアノの塗装のようにどこかこうモッタリとしていて美しい。

器の釉薬もまた間近で見ると引き込まれる美しさがある。

使いこまれた革の質感にも美しさはあり、錆びた鉄にも美しさを感じる。

チョコレートコーティングされたお菓子の質感もまた美しい。

 

美しさは誰かに教えられるものではなくて、ある時気がつくともう美しいと感じていて、

一度感じた美しさはそうそうゆるがない。不思議な感情だといつも思う。

そして、その美しさを感じることが暮らしの中で何よりの幸せだったりする。

 

 

 

 

 

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