現場の作業台に並んだサンプル。
工事がある程度進んだ段階で、お施主さんと仕上の最終確認を現場で行わせて頂きます。
設計段階で概ねの外壁の色であったり、室内の塗装色などの話はさせて頂いていますから、
この日は、机の上の話から実際の空間で試してみてイメージのズレがないか?
「やっぱりこっち」というどんでん返し・・・などがないか?という確認です。
用意しているサンプルの色味はたくさんある訳ではなく、すでにこれが合うだろうと吟味して
わずかな調色ちがいの3色程度を用意するようにしています。
サンプルがあり過ぎると人って必ず迷います。なので絞って用意しています。
もうお施主さんの好みは十分に把握していますし、その好みの範囲でサンプルを用意するので
いつもこの方法で問題ありません。
きっとお施主さん方は自分の家の色を決める楽しい時間になっていることと思いますし、
私自身も色の検討作業は楽しい時間です。
でも色は広い面とサンプルの小さな面では見え方が違うので、そのニュアンスの説明だけは難しいです。
デザイナーとか建築家というと、色とか物凄く悩んで決めているイメージがあると思いますが、
私の場合はそれがほとんどありません・・・。
色見本帳を拡げるとすぐ決まる。
ただ一旦それをなかったことにはします。他の可能性みたいなものを考えてはみます。
でも最初に決めたものがやはり最良ということがほとんどなので、
この習慣はもう意図して踏み外さないようにしています。
それはお施主さん方の好みや立地環境などを反芻して考えている内に、頭の中に
出来上がったイメージがあるせいだと思います。そこには色がついていて、それを見本帳で
さがしているだけということだと感じています。
この日も、お施主さんにスムースに色選びをして頂き、無事に終えました。
それでも、最初に塗装された空間を見る日はドキドキします。
上手くいきますように。気に入ってもらえますように。