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2021. 05 / 25 建築のこと ]

古くて新しい

古いものと新しいものが同居しているというのは素敵なことだ。

言葉としてはずっとわかっていたけれど、以前50年を経た宿の改装を行った時にそれはデザイン的

にはかなり難しいことだと思いました。

具体的にデザインとしてどうすれば同居できるのかとずいぶんと思い悩みました。

 

新しい材料は既存のものとは風合いも色も違いますし、考えなしに組み合わせたのではうまくいかない。

この時は工務店さんも棟梁もそのさじ加減がわかる方々で、相談しながら結果いい仕事ができました。

 

「周囲の風景に溶け込む」という言い方にあるように、馴染むというのは溶け込んで一体化すること

なのでしょう。経年変化の中でいつしか改装箇所は既存のものと区別がつかなく日が来るのを

見たいなと思っています。

 

写真は改装直後です。分筆机や障子などは新しく設えたものです。

一方で柱や床框は既存です。

2021. 05 / 11 建築のこと ]

造形

下がり壁端部の造形。

米マツの集成材で加工してもらいました。集成材ながらとても綺麗です。

つくづく木材はきれいだなと思います。

建材として現場に納品されるのは木材は当然角材ばかりです。

でも木材は加工性が高く、様々な形を生み出すことのできる素材でもあります。

 

この部材も一つの木材を加工したのではなく、組み合わせて作ってあります。

「曲線」はやわらかさを出してくれるのでよく用います。光が当たってきれいなのもいい。

 

集成材を使うのは塗装を施した後のひび割れを防ぐためと、松の無垢材は松脂(樹液)が出るので

それを防ぐためでもあります。過去の経験から毎回少しづつ工夫を重ねています。

 

木材の可能性を造形の豊かさだと思っています。

とらわれずに空間にあう形を探しています。

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