2021. 05 / 25 [ 建築のこと ]
古くて新しい
古いものと新しいものが同居しているというのは素敵なことだ。
言葉としてはずっとわかっていたけれど、以前50年を経た宿の改装を行った時にそれはデザイン的
にはかなり難しいことだと思いました。
具体的にデザインとしてどうすれば同居できるのかとずいぶんと思い悩みました。
新しい材料は既存のものとは風合いも色も違いますし、考えなしに組み合わせたのではうまくいかない。
この時は工務店さんも棟梁もそのさじ加減がわかる方々で、相談しながら結果いい仕事ができました。
「周囲の風景に溶け込む」という言い方にあるように、馴染むというのは溶け込んで一体化すること
なのでしょう。経年変化の中でいつしか改装箇所は既存のものと区別がつかなく日が来るのを
見たいなと思っています。
写真は改装直後です。分筆机や障子などは新しく設えたものです。
一方で柱や床框は既存です。