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2021. 08 / 21 建築のこと ]

北鎌倉の舎(改装)

まもなく竣工する「北鎌倉の舎」の作り付けのソファ。

お施主さんが選定した生地を家具工場に送ってソファにしてもらいました。

先日、現場に搬入されたので早速設置して雰囲気を確認。とてもいいです。

 

自宅で本を読む時や映画を観るときには、いつの間にかソファにゴロンと横になってしまいます。

休みの日には、そのうちに眠くなって昼寝する。

なのでデイベットも兼ねるような、ソファであぐらをかけるような、そんな大らかなソファが好きです。

 

理想としているのは”シーランチコンドミニアム“の窓辺です。

建築家チャールズ・ムーアの「人の居場所をつくる」という言葉にとても惹かれます。

庭を眺めるでも、本を読むでも、家で仕事をする時でも。

できるだけ、家の中にくつろげる場所が多いに越したことはないと思います。

居場所が多いと人は自由を感じるんだと思います。

空間の大きさではなく、小さな場所でもきっとたくさんあれば、気分が変わります。

このソファを設けているのも、どこかそんな気持ちを込めています。

 

sea ranch condominium

 

2021. 08 / 18 日々の暮らし ]

苔の森

 

苔天国の八ヶ岳は高見石小屋周辺。

ガスが立ち込めた誰もいない苔の森の中を歩いていると不思議な気分になってくる。

時間感覚も、何やら時代感覚までもが失われてくる。

 

腐海の底に落ちたナウシカとアスベルのごとく、ただここにある繰り返される自然の姿を見続けて、

さらに奥へと分け入っていく。木が朽ちそこに苔が生える。大きな岩にも石にも。

苔によってフォルムが変わり、森にやわらかな曲線がもたらされ、森の明るさも苔が決めている。

 

苔は生えるのでなく「むす」。苔むす。長い年月や永久という意味を持つけれど、この森に来れば

そのことは体感できる。苔の森が持つ時間は我々の時間とはちがう。

「本当に美しいと思えるものは時間に耐えてあるものである」とは杉本博司さんの言葉です。

この森の美しさは時間そのものでした。

 

 

 

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