新たに屋根を設け、ひっそりと佇むような雰囲気を持たせたエントランス
車の入れない小道の先。緑の中にある孤を描くアプローチが玄関へといざなう
南に向いた木製窓が陽光と庭を向かい入れる。
床材は家具との相性から青森産カラマツ材
鎌倉の豊かな自然の中で、爽やかさを感じさせる外壁の色。晴れの日だけでなく、
曇りや雨の日も明るい印象を保つ
出窓状のソファは読書にもうってつけの場所。落ち着きと静けさを感じ取れる
定番のラワン材と真鍮の引手の組み合わせのキッチン。
使いやすく空間にもよく馴染む。小窓は調理時の換気用を兼ねている
出窓からの光をやわらかくバウンドさせて室内に導いている。
光の変化でも季節の移ろいを感じ取れる
LDKの天井には時間を経てきた丸太の梁を「飾る」ようにして見せている。
アール壁が視線を自然に「庭」へと誘導する
アール壁で柔らかな印象をもたせつつ、カーテンボックスも兼ねるデザイン。
光が柔らかく変化する
庭への視野を拡げるコーナー窓。ニッチはどこか暖炉のようなイメージに
シンボルツリーでもある既存樹のもみじが、家を見守るような配置にある。
台風対策として雨戸を設けた、戸袋の木部が外装デザインのアクセントになっている
2階入り口
将来はお子さんの部屋。ギャラリーのような白い空間
既存の階段はクライアントと最初からそのまま残すと決めてあった
寝室の窓は、安心感を優先した大きさにデザイン。
壁の厚みは「守られている」感覚を生みやすい
風の動きが見えるベールのようなカーテン
築70年以上を経た既存家屋
何度か改装の手が入っていた既存内部空間
北鎌倉の駅から徒歩10分程、鎌倉らしい川沿いの道を歩き、車の入れない谷地の狭い小道をさらに登ってゆくと鎌倉の自然に囲まれた静かな場所に「北鎌倉の舎」があります。
建物は築70年以上となる木造2階建ての住宅で、一度大きく改装されていて、室内はきれいな状態でした。
この建物を購入され、自分たちの暮らしにあった空間に変えたいとご依頼をくださったクライアントは、20代の若いご夫婦でした。以前設計した改装住宅「二人舎」をSNSでご覧になり、イメージする家づくりに合っているとご相談をいただきました。
鎌倉という土地は奥様の地元でもありますが、当初は自分たちの理想の暮らしを求めて、軽井沢をはじめ各地の敷地・中古物件なども見てまわり、結果たどり着いたのがこの趣のある北鎌倉の古民家だったそうです。
お二人は北欧への渡航経験や、北欧家具や建築がお好きであること、ダイニングテーブルや椅子などもすでに北欧デザインの家具を好んでお持ちでした。またワインとコーヒーを愉しむのが趣味であることなど、明確に自分たちの暮らし方を持っていらしたので、その暮らしを「空間」によって、より楽しくそして充実したものへと拡げられるか。そのことに主眼をおいて設計にあたりました。
−ご提案のポイント−