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2022. 09 / 16 日々の暮らし ]

造形

東京都美術館で開催中の「フィン・ユールとデンマークの椅子」展へ。

 

建築の道へ進む以前、最初に触れたデザインへの憧れはヤコブ・イェンセンの作品でした。

デンマークの世界的なインダストリアルデザイナーです。ここからどんどんとのめり込んで、

椅子のデザインにも興味を持ち、そこから建築へと進んだのですが、こと椅子に関してデンマークは

名だたるデザイナーと名作の数々、歴史を持つ椅子大国。ヤコブ・イェンセンの存在共に私の中で特別な

イメージを持つ国の一つになりました。

 

なかでもフィン・ユールは造形の美しさに一目見た時から心奪われたデザイナーです。

この展覧会、素晴らしいことに実際にその名作たちに座ることができます。

フィン・ユールの椅子に座る機会は少ないので、しっかりと味わってきました。

建築は実際にこの目で見るものと写真は別物ですが、椅子はさらに座ってみるまではその椅子のことを

知らないに等しいような気がします。

はじめて座ったフィン・ユールのソファの座り心地と、もたらされる幸せな感覚。

きっと何度も試行錯誤してたどり着いているであろう機能を満たした美しい造形。

座っているだけで人を幸せにしてくれる感覚のある椅子なんて、他にはないような気がします。

 

いい椅子って何だろう。と思うんですが、とにかく座ってみて自分にあうものなんだと思います。

名作かどうかは関係なく、ぴったりと自分にあうものともし出会えれば、

それは一生モノになるだろうなと。それがいい椅子だろうなと。

 

フィン・ユールは自ら設計した自邸がまた良くて、一時ずいぶんと写真とプランを眺めました。

椅子の繊細なデザインが建築にあっては大らかなものに変わって、造形は全体のバランスの良さに

現われるすばらしい住宅。

美味しい料理人はジャンルを問わず何を作っても美味しいのと一緒で、フィン・ユールは建築もそして、

グラフィックもうまい。

同時代のデザイナーからは異端的な存在であったことは、今では不思議なことですが、意志を貫いた

ところもかっこいい。

もっともっと知りたい存在ですが、私の知る限り自叙伝などの本が見当たらず、どなたかご存知であれば

教えて頂きたいです。(日本語訳で・・・)

 

それにしても、展示された多くは椅子研究家の織田憲嗣さんのコレクション。

すごいとしか言いようがない。あらためてコレクションの数と質に驚きました。

 

 



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