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2024. 05 / 14 建築のこと ]

Wooden structure | 木造の構造費

 

Wooden structure | 木造

 

住宅の構造というと、RC造(コンクリート造)・鉄骨造・木造が一般的です。コストの順番も書いた順に左から高く、順に安くなります。どれを選ぶかは立地条件、環境面、建築規模から総合的な判断を行います。軟弱地盤で重いRC造とするのはどちらかといえば不向きであったり、3階建てとなると時に木造では不合理だったりします。平野で2階建て住宅で小規模であれば、コスト面を考えれば木造が最適解です。

 

では、木造での工事費の何パーセントが柱梁などの構造材になっているのか?自分としても興味が湧いて建築中の武蔵野の建物で計算してみましたので、今日はそんな話を書いてみます。

 

What percentage | 比率

 

結論から言うと、工事床面積32坪の武蔵野の住宅では、全体工事費(設備工事費を含め、外構工事費を除く)の10パーセントでした。過去の案件を見てみると12パーセントというものもあるので、当事務所でいうと、10~12パーセントほどが割合ということになりそうです。あくまで構造費なので大工さんや鳶の人件費は除いています。

この比率ですが、10数年前に同じように試算した時の割合とほぼ変わっていません。木造の住宅では構造費の割合は概ね変わらない、むしろ変わりにくい数値のようです。

 

ただ、武蔵野の住宅は工事費と別にした施主による器具支給額がかなりの金額になるので、その点を加味するとパーセンテージが下がります。構造費以外の工事金額の高騰はパーセンテージを下げますから、構造費の変動が落ち着いていく中では比率は下がる傾向かもしれません。

 

Unit price | 単価

 

では、単価そのものはどうでしょう。

コロナ過で騒がれたいわゆる「ウッドショック」が現状どうなっているのか。コロナ以前の案件と比較してみたかったので、比率以外に坪単価でも比較してみましたが、意外なことに武蔵野の住宅では思ったより変動(高く)となっていません。高止まりと言われていますが、当事務所で比較した感覚で言うと、相場に落ち着いてきている印象を受けました。

どちらかというと、構造材(柱や梁材)よりも、やはりたくさん使用する合板材や意匠面で使う木材が高騰しています・・・

 

ウッドショックの影響は時間とともに着実に落ち着いてきているように感じました。来年の法改正で構造費はより高くなる傾向になると思われるので、できるだけ安価になってほしいところです。構造は大切ですがデザイン面での費用が少なくなるのは、設計事務所としては大問題です。その点からもどうなのかと比較してみましたが、やはりコストバランスを高めながら、良い建築をいかに作り出すか。

その点は独立以来かなり意識して作っていることなので、これからはそう言った観点のブログも書いてみたいと思い始めました。

 

なんだかむしろ自分の頭の整理になるような内容になりました。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

 



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